政府は、韓国で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを受け、入国拒否措置の対象地域に韓国南東部の大邱市と慶尚北道清道郡を新たに加える方針を決めた。過去2週間以内に対象地域の滞在歴がある外国人を対象にする見込みだ。
26日昼に首相官邸で開かれる政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で、安倍晋三首相が表明する。韓国での感染者は1100人を超えており、政府は今回の措置で水際対策を強化する。新型コロナウイルスの関係で、中国以外の地域が入国拒否の対象になるのは初めて。
外務省は25日、大邱市や清道郡の「感染症危険情報」を3番目に強い「レベル2」(不要不急の渡航をやめるように呼びかけ)に引き上げた。
菅義偉官房長官は26日午前の記者会見で「感染が拡大している地域から日本への感染者の流入を防ぐことが不可欠で、適切な水際対策のあり方について不断に検討を行ってきている」と話した。政府がチャーター機を手配して大邱市と清道郡にいる日本人の帰国を支援するかも問われたが「実績のある中国湖北省とは状況が異なり、邦人が自分の意思で出ることができない状況にあるとは認識していない」と述べ、消極的な姿勢を示した。
政府は出入国管理法に基づき、特段の事情がない限り、中国の湖北省や浙江省に滞在歴がある外国人らの入国を今月から拒否している。出入国在留管理庁のまとめでは、24日までに114人の入国を拒否。入国を取りやめた人がほかに64人いる。209人が特段の事情があると認められ、入国した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル